◎「岩手の地質」概説

図_1.岩手の地帯構造区分図

岩手地帯構造区分図

 岩手県は地形上の特質、地質構成員の相違、ならびに各種の構造線(断層群)によって大きく三つに区分される。

 一つは北上低地帯(北上川が南流する一帯の沖積低地で、盛岡−白河構造線が伏在するといわれる。)、その西側の新第三紀層〜第四紀層が分布する地域(奥羽脊梁山地)、三つめは東側の中〜古生層が分布する地域(北上山地)である。

 北上山地はさらに、早池峰構造帯によって南北に分けられる。南部北上山地は二畳紀(約2.5億年前)より以前の地層が主として分布しているのに対して、北部北上山地は二畳紀以降の地層が主として堆積している。

 南部北上山地は、日詰〜気仙沼構造線によって東西に分割され東側はシルル紀(約4億年前)〜二畳紀の地層が主として分布し西側は母体層群に代表される高変成度の変成岩が主体のデボン紀(約3.5億年前)〜二畳紀の地層が分布する地域である。

 一方、北部北上山地は右図に示すとおり、葛巻構造線及び田老構造線によって更に三つに細分される。一つは早池峰構造帯から葛巻構造線までの地域で、チャート、シャールスタイン、粘板岩砂岩等を主体とする二畳紀層が分布する。(北部北上帯)

 二つめは、葛巻構造線と田老構造線に挟まれた地域で、主として三畳紀〜ジュラ紀の地層が分布している。(岩泉帯)

 三つめは田老構造線の東側で、主として白亜紀層が分布する地域である。(田老帯)

 要するに岩手の地質は、我が国最古のもの(一説には母体層群中に24億年前の地質が分布している)から、現在も堆積進行中の新しい地質まで、実にバリエーションの広い地質構成を有しているのである。上記した地域の内、代表的な地質層序表を下表に示す。

 

表.1 南部北上帯(東磐井地方)の層序        表.2 北部北上帯(釜石〜川井地方)の層序

地 質 系 統

地質時代

対比層準

 

地 質 系 統

地質時代

対比層準

漸新統

始新統

暁新統

25×106

 

 

 

 

 

 

 

漸新統

始新統

暁新統

25×106

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上 部

 

下 部

65×106

 

 

 

千厩花崗岩

(貫入)

 

 

 

 

上 部

 

下 部

65×106

 

 

 

 

桐内層

上 部

中 部

下 部

136×106

190×106

 

 

 

 

上 部

中 部

下 部

136×106

190×106

 

 

仙婆山層

上 部

中 部

下 部

225×106

 

 

 

上 部

中 部

下 部

225×106

 

 

 

 

 

 

 

 

上 部

中 部

下 部

280×106

登米層

薄衣礫岩

錦織層

 

 

 

 

 

上 部

中 部

下 部

280×106

 

栗林層

上 部

 

下 部

345×106

竹沢層

 

唐梅館層

上 部

中 部

下 部

345×106

小川層

釜石層

千丈ケ滝層

上 部

中 部

下 部

395×106

鳶ケ森層

 

 

 

上 部

中 部

下 部

395×106

 

 

 

 

シルル系

430×106

 

シルル系

430×106

 

 前 古 生 界

 

東磐井広域変成岩類

 前 古 生 界